タマにもデレず
ミケにもデレず
シロにもクロの可愛さにもデレぬ
一途なこころをもち
ツンはなく
決してあせらず
いつもしずかに眠っている
1日に猫飯2杯と
ミルクと少しの鼠をたべ
あらゆる猫を
じぶんの手中にいれて
よくみききしわかり
そしてわすれて
街角の路地の隅の本屋の
小さなカウンターの上にいて
東に生まれたての子猫あれば
行って撫で回してやり
西に子猫の母あれば
行ってその肉球の感触を楽しみ
南に人見知りの猫あれば
行ってこはがらなくてもいいといひ
北にけんかやいじめがあれば
行って『フカーッ』と一声いひ
ひとりのときはあくびをひとつ
さむさのふゆはコタツに潜り
みんなに猫の人とよばれ
ほめられもせず
くにもされず
さういふ猫に
わたしはなりたい